"だから言わんこっちゃない"

0
■来年の障害分野の流行語は

 今年も流行語大賞の季節となった。大賞に選ばれたのが、「小泉劇場」と「想定内、想定外」であることは、既にマスコミで報じられているとおりである。人物を重ねてしまうせいか、双方とも無機質さを連想させ、どことなく冷やかなイメージがつきまとうのである。
 ところで、少しばかり気が早いかもしれないが、わが障害分野の来年の流行語、流行フレーズはどうなるのだろう、こんなことを考えてみた。すぐさま浮かんでくるフレーズがある。いずれも、障害者自立支援法(以下、自立支援法)がらみということになる。つらつら挙げてみると、「障害程度区分はいくつだった?」、「ハイ、請求書」、「ええ!こんなに払うの?」、「働けど働けど、負担に追いつかず」、「こんな法律に誰が賛成したの」、「だから言わんこっちゃない」、......、などが浮かんでくる。もっと出てくるだろうが、この中で言うならば、おそらく「大賞」にのし上がってくるのが「だから言わんこっちゃない」ということになろう。読者諸君は、どう予想されるだろう。
 そう言えば、だいぶ古くなるが"あんた泣いてるのね。だから言ったじゃないの......"こんな歌詞で始まる歌謡曲があった。もしかしたら、来年は障害分野の関係者のあいだで、こんなリバイバルソングが口ずさまれるようになるかもしれない。


■予算案発表でいよいよ本性が

 さて、自立支援法に関連して現時点で最も心配なのは、各種の新規事業の予算水準がどうなるのかということである。施策や制度と言うのは、どんなに見栄えがよくても予算の裏打ちがない限り、それ自体は意味をなさないと言ってよかろう。ここで注目されるのは、平成18年度政府予算案の発表であるが、来週冒頭にも原案内示ということになる(12月20日前後)。
 何としても法案を可決させたかった厚労省は、随分と調子のいいことを言ってきたが、予算案の発表で地金が見えてくるはずである。就労分野を中心とする日中活動支援サービスや居住支援サービスの公費負担基準額、すなわち職員配置基準などの輪郭が明らかになろう(最終的には年度末になるとのこと)。利用者負担の水準も、もう少しはっきりとしてくるように思う。悲観的過ぎると言われるかもしれないが、全国のそこここで深い溜息が漏れることはまず間違いなかろう。
 例えば、小規模作業所関係者にとって大きな関心事となっている事業に、地域活動支援センターがある。予算付けが気になるが、率直に言って期待できそうにない。普通に考えれば、同じ障害を有する者であり、就労継続支援事業や生活介護事業の公費負担基準と遜色があってはならないはずだ。ところが、だいぶ格差がつきそうだ。予算の付け具合が余りにひどければ、「地域活動支援センターをボイコットしよう」、こんな穏やかではない声が持ち上がってくるだろう。日中活動支援事業に力を入れていきたいとしていた厚労省であるが、地域活動支援センターへの予算付けは厚労省の姿勢や自立支援法の本質を占う上での重要なバロメータということになろう。


■座視しているわけにはいかない

 法の成立が成った今、いよいよ厚労省の本領発揮ということになろう。既に、牙がチラつき始めている。本領露呈の第一ラウンドが来年度予算案の発表であれば、次いで出てくるのが政省令などの各種規定ということになる。各種規定も生易しいものではなさそうだ。公表手順そのものも戦略的になるはずで、一つずつロックするかのようにして固めてくるのだろう。おかしいと思っても、逆戻りできないような仕掛けになっているに違いない。ちょうど、ネズミ捕りに入ったネズミが籠の外に出られないように。
 むろん、これを座視しているわけにはいかない。問題性を薄め、支援水準を高めていくために、でき得る限りの努力が払われなければならない。われわれきょうされんとしても、特別の体制をとっていく必要がある。特別体制の一環として、きょうされんは理事会のもとに、「障害者自立支援法対策本部」を設けることとしていたが(11月の第4回理事会で決定)、このほどこれが正式発足の運びとなった。本部長は立岡晄理事長、事務局長は赤松英知常任理事)。
 要望書や意見書の素案づくりをはじめ、具体的な行動の調整、「応益負担110番(仮称)」の開設(まずは、特定日を設けながら)、ブロックセミナーの企画、自立支援法関連のきょうされんブックレットの発刊準備、などを推進していくこととなった。会員の声を聞き、支部とも連携を図りながら、存在感のある対策本部としていかなければならない。
 「法の成立は受け入れざるを得ないが、法の誤りまでは受け入れられない」、これがわがきょうされんの自立支援法に対する基本的な構えである。中長期的な改善運動はもちろんであるが、局面、局面でも「誤り」を究明していきたい。それにしても、この先しばらくは「だから言わんこっちゃない」をずいぶん連発することになりそうだ。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.mimata.jp/mt5/mt-tb.cgi/22

コメントする

このブログ記事について

このページは、takeuchi2005年12月12日 00:00に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「異例の拍手無しの中での新法誕生」です。

次のブログ記事は「"エンゲル係数ならぬ応益負担係数を新たなバロメータ-に"」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。