■郵政民営化問題にあやかって
特別国会が終了して間もなく一ヵ月が経とうとしている。「障害者自立支援法」が可決成立という点で、先の特別国会は私たちにとってはずっと記憶に残っていきそうだ。自立支援法との関係で、改めて先の特別国会をふり返ってみたい。
特別国会が終了して間もなく一ヵ月が経とうとしている。「障害者自立支援法」が可決成立という点で、先の特別国会は私たちにとってはずっと記憶に残っていきそうだ。自立支援法との関係で、改めて先の特別国会をふり返ってみたい。
大体にして、特別国会というのは首班指名(総理大臣の選任)を目的とするもので、一週間程度の会期が慣例とされていた。ところが、今般は違っていた。「郵政民営化」のみが争点とされた衆議院総選挙での自民党の圧勝を受けて、郵政民営化に関する法案を一気に通すための国会となったのだ。そのために、日程上の余裕をみてか、40日余(9月21日から11月1日まで)の会期が設定されることになった。この40日余にあやかって、自立支援法案が再提出されることになったのである。そういう意味では、「9.11便乗法案」(9.11は衆議院総選挙投・開票日)、こんなふうに言って差し支えなかろう。
結局、自立支援法案は、特別国会の最終盤ぎりぎりのところで成立をみた。閉会の一日前の成立というのだから、まさに綱渡り状態での成立だった。
応益負担制度の導入など、決定的で多くの問題が内包されていることは重ねて本欄などでも指摘してきたとおりである。問題点がいかに多い法律であったか、このことを象徴するかのような出来事が、法案成立の前後に相次いだ。いずれも異例だと思うが、そのうちのいくつかを紹介しておきたい。
■異例の現象、しっかりと記憶に
一つ目に驚いたことは、衆議院本会議での採決時に与党の中から「造反者」が出たことだ。具体的には、可決の瞬間に起立しなかった自民党議員が少なくとも一人以上はいたという(複数の傍聴者からの話)。表面的にはごく一部だったかもしれないが、実のところは大半の与党議員が苦渋の判断であったに違いない。
二つ目は、成立の瞬間に議場が静まり返ったことだ。通常はどうかというと、新たな法律が可決された瞬間に、少なくとも与党席から拍手が湧き上がるのが慣例だそうだ。政党人として、党の方針に従って、外形上は賛意を表さざるを得なかったものの、内心はそうではなかったのだろう。とても祝意を表す心境にはなれなかったに違いない。
三つ目は、厚労省内部からも考えられないような反応があった。ある障害者団体の幹部が直に聞いたとのことであるが、複数の課長補佐がこんなふうに言っていたそうだ。「法案は可決されたが、全く達成感を覚えられない」、「率直に言って複雑な思いだ」と。役所の「掟」によって、なかなか個人の見解を表しにくいお役人であるが、こう漏らす背景にはよほど思うところがあったのだろう。
厚労省の宣伝として、また有力マスコミさえからも、「一部の障害団体のみが批判的な見解にある」、法案審議の大詰めの段階でこんな見解が流された。本当に、批判的な見解が「一部の団体のみ」であったとしたら、こうした現象は起こっていただろうか。事態はむしろ逆で、先に掲げた異例現象は、圧倒的多数が「おかしい」と感じていたからに他ならない。応益負担問題を中心に批判的な見解をとってきた私たちであるが、こうした現象に、決して私たちの主張が一部のものではなく、妥当な見解であったということを確信してもいいのではなかろうか。改めて、こうした異例ずくめの現象から何が見えてくるのかを問い直し、そしてあのような現象をしっかりと記憶に留めておきたいものだ。
結局、自立支援法案は、特別国会の最終盤ぎりぎりのところで成立をみた。閉会の一日前の成立というのだから、まさに綱渡り状態での成立だった。
応益負担制度の導入など、決定的で多くの問題が内包されていることは重ねて本欄などでも指摘してきたとおりである。問題点がいかに多い法律であったか、このことを象徴するかのような出来事が、法案成立の前後に相次いだ。いずれも異例だと思うが、そのうちのいくつかを紹介しておきたい。
■異例の現象、しっかりと記憶に
一つ目に驚いたことは、衆議院本会議での採決時に与党の中から「造反者」が出たことだ。具体的には、可決の瞬間に起立しなかった自民党議員が少なくとも一人以上はいたという(複数の傍聴者からの話)。表面的にはごく一部だったかもしれないが、実のところは大半の与党議員が苦渋の判断であったに違いない。
二つ目は、成立の瞬間に議場が静まり返ったことだ。通常はどうかというと、新たな法律が可決された瞬間に、少なくとも与党席から拍手が湧き上がるのが慣例だそうだ。政党人として、党の方針に従って、外形上は賛意を表さざるを得なかったものの、内心はそうではなかったのだろう。とても祝意を表す心境にはなれなかったに違いない。
三つ目は、厚労省内部からも考えられないような反応があった。ある障害者団体の幹部が直に聞いたとのことであるが、複数の課長補佐がこんなふうに言っていたそうだ。「法案は可決されたが、全く達成感を覚えられない」、「率直に言って複雑な思いだ」と。役所の「掟」によって、なかなか個人の見解を表しにくいお役人であるが、こう漏らす背景にはよほど思うところがあったのだろう。
厚労省の宣伝として、また有力マスコミさえからも、「一部の障害団体のみが批判的な見解にある」、法案審議の大詰めの段階でこんな見解が流された。本当に、批判的な見解が「一部の団体のみ」であったとしたら、こうした現象は起こっていただろうか。事態はむしろ逆で、先に掲げた異例現象は、圧倒的多数が「おかしい」と感じていたからに他ならない。応益負担問題を中心に批判的な見解をとってきた私たちであるが、こうした現象に、決して私たちの主張が一部のものではなく、妥当な見解であったということを確信してもいいのではなかろうか。改めて、こうした異例ずくめの現象から何が見えてくるのかを問い直し、そしてあのような現象をしっかりと記憶に留めておきたいものだ。
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